Speed Drive(スピードドライブ)

快適、爽快。あなたの愛車が生まれ変わる

シュルンプ社との出会いから販売に至るまで

10月14日

 昼までスピードドライブの生い立ちなどを聞く。
もともとは、ひいじいちゃんの代から山岳地帯ならではの水を汲み上げるためのポンプを作る工場だったという。この時代に作られたものが今でも現役で動いていると自信と誇りを知る。ポンプは、別の工房で兄が引継いているそうだ。
 社長はもともと芸大卒で絵書き系。趣味で一輪車を乗っていたそうである。実はこれがギア作りのはじまりだと語る。

 一輪車のギア比はもちろん1:1。要するにペダルを一回転すると一回転分動くというもの。一回転でもっと動いたら楽、これが発想の原点。そこで試行錯誤 を繰り返しているうちに1:1.5というギアの開発に成功。ホームページに掲載すると一輪車ユーザーから口コミで広がりヒットしたという。その技術を、ス イスの街で走りやすくするための自転車で活かそうと現在に至ったようであった。

 マウンテンドライブは、もともと前輪に大きな荷物をのせるスペースがある特別な自転車用に開発されたこともこのときに知った。普通の自転車には、マウンテンドライブよりスピードドライブのほうが快適だったこともうなずけた。

で、ダニエラから「今日は、明るいうちに夕食を食べに行こう」と。
クールという街に案内される。ディズニーランドのようで、古い街並みで美しい。

 シュルンプのギアは、10数年前からヨーロッパ、アメリカでも販売しているんだと話しがあり、そのときにあらためて、日本での販売をしてくれと話しが出るが、断った。今回は、簡単にOKして、このギアの信用や社長との信頼を失いたくないという気持ちが強くなったからだった。

 それでも、社長は、「このギアは、ヨーロッパ、アメリカでの小さいショップが基盤となって広めてくれてたのが実績であり、俺たちのスタンスはここだ」と 力説。「もともと年間2000個程度の生産量で、ただ単にたくさん売りたいのではなくこの商品の良さを理解している人が少しでも広め、この感動を共有しあいたい」という意志を伝えてくれた。そして通訳のダニエラは日本に留学して以来再び、日本とつながりを持ち、勉強も兼ねて、この3人で日本の販売チームをやろうと話しがはずむ。こちらの気持ち、方針も快諾してくれたのでここでOKした。結局は最高のお土産を手にしたことになった。

10月15日

 朝、迎えがきて、事務所に行くと これからどうやって3人で展開するか話しをしようと。まずは、ダニエラとフローリアンで日本語サイトを作りましょう。僕は日本で売るということやると。そんな話しでまとまってきたところに突然、フロリアンが契約書のような一枚の紙を出してきた。

 何が書いてあるかわからないので不安が、、、。不安が、不安が、
サインしていいんだろうか。不安。ダニエラにおそるおそるこれは何が書いてあるのか聞いた。そうすると「フロリアンが作ってくれた日本で言う卒業証書みたいなもの」
不安から一転。なぜだかうれしさが思いっきり溢れ出た。

 「これでマイスターの称号をいただいたってことでいいんですか」と口がすべった。
すると笑いながら「そうだ、そういうことでいいんだよ」と。
 これは、シュルンプ社のドライブを理解したっていう、自分のためだけに作ってくれた証書だった(世界で一枚?)。で、契約書はありますか、と「うちには契約書なんかないよ、これがすべてなんだよ」と。

 ただのちゃりんこ屋に自分の大切なものを預けるという気持ちは、とても魅力的で、大きく、契約書にびびった自分が恥ずかしくなったが、このときは、すでにこの人の商品を絶対に売りたいと思っていた。これでシュルンプでの数日が終わった。

 今思うとこの滞在期間、仕事を終えホテルに戻り翌日には仕事場が必ず整然としていたことに気付く。この証書だけでなくホテルで寝ている間には、こんな自分のためにいろいろな気づかい、用意をしてくれてたんだな。と思うと感激と恐縮でいっぱいだ。

 ウルルン滞在記のような涙はなかったが、お別れに。
ホテルの鍵を持ってきてしまうというバタバタ劇などを繰り返しつつ、自転車をかつぎチューリッヒへ

実はここから、、、、、、、、、、、夜行列車でイタリアへ。
 格安チケットではイタリア経由。どうしても本場サッカーを見たかった。

10月16日

 朝ローマに到着。
無計画なので、当然、宿がない。観光所の前をうろついてると怪しい人から声をかけられる。
なにやらホテルを探しくれるらしい。ドキドキだが、まかせてみた。結局は普通にホテルを探してくれた。なんともなかったみたいだ。きっとあとからマージンをもらってるんだろう。

 ホテルにチェックイン後、早速、自転車を乗ろうと。街中をまずマウンテンドライブのブロンプトンで走る。急な坂が意外に多く、ストレス無しでぐいぐいと 登る。快感、新発見で意気揚々。ホテルへ戻りスピードドライブをつけたBD-1で走る。これはもうどこまででも行けちゃうな、と驚愕。トレビの泉までの坂 道、石畳みの振動には、当店のオリジナルスプリングがばっちり効果発揮。自画自賛。名所をめぐりかなり走り回った。もう観光には自転車が絶対オススメ。

 しかしよく道に迷った。日本からの地図を見ていたが道に迷ったとき現地の人にみてもらってもわからない。海外では現地語の地図も持ってるべきです。。。

 そして、いよいよサッカーへ。観光案内所にいきチケットを取ろうと思ったら完売。テレビを見ていると意外と空席があった記憶。会場にいけば当日券など きっと余ってると思い、ローマから2時間いざシエナの会場に電車でGO。駅につき警官らしき人に会場の場所を聞くと「おまえチケットあるのか?」と聞かれ た。もちろん「無い」と即答。すると「バカかおまえ(と言ったかわからないが)、シエナは街をあげて盛り上がってるんだぞ、チケットなんか無いぞ」と。安 易な思いつき行動は玉砕。いじけながら、少しでも観光できればと「フィレンツェ」へ移動。着いたところで、ローマ行きは30分後が最終電車。がーん。なん とフィレンツェで駅にあるマクドナルドしか食べられずに、ローマへ戻る。

 ホテルへ帰り、これで夢のサッカー観戦をまたも夢としてしまいイタリアも終わり。翌朝ローマから成田へ。
 機中ではスイスの山並みを上から見て、オー、おれはすごいとこに行ってたんだなあと実感。あとは、生まれ変わったドライブ付き(しかも正常動作の)自転車を早く、スタッフ、お得意様に自慢することばかり考えて無事帰国した。

10月17日

自慢したいところにちょうどサイクルショーがある。

 主催者に連絡し、なんとか置かせてくれと頼み込む。頼み込む。頼み込む。
するとラッキーなことに試乗コーナーがOKとなる。
調子に乗って、ブースも出したいと思い、「出展者のブース」を「間借りできないか」と無理を承知で「出店者」に直接電話をしまくった。当然OKなるわけもなく断念。

 しかし、思いはとどまらず、再度、主催者に頼み込んだ。すると急遽、ブースを作ってくれることになり、めでたく外の試乗車コーナーにBD-1スピードド ライブ仕様とブロンプトンのマウンテンドライブ仕様、frogのハイスピードドライブ仕様を、そして中の展示ブースにBD-1スピードドライブ仕様を出せることになったのだ。

 またもや前日、商品を案内するための日本語の資料がないのに気付く。ここで名刺と同じように別の友達に頼み込んだ。当然ながら罵声を浴びせられた。しか も名刺と違うのは、自転車を乗らないので、この感動は伝わりづらく、何をいっても通じない。何度も何度も何度も何度もやりとりをして、結局は逆にわかりや すいものとなり「ニュースリリース」が完成。すぐさま印刷し仮眠を。

 なんとか、当日に滑り込みセーフ。スタートすれば、なんと取材殺到。同業者の方からは質問、取引の話し、お客さんからは感想や取り付け希望者まで。うれしい悲鳴が。
 ブースでの説明では自分の自転車に取り付けられるかの質問が多かったのが、実際に乗った方からは、まず「すごい」そして「シンプル」と絶賛を受け、そざ ん乗り回し感動したユーザーさんが、サクラかと思われるがのごとく、他のユーザーへ売り込みをしてくれるほどに。結果は大成功です!!

 サイクルショーでの成功の他にも、この数日前にはブロンプトンの社長がショップに来てくれていて、フローリアン(シュルンプ社長)との話しで盛り上がっ ており、サイクルショーのレセプションパーティーではパシフィックの会長、社長、フォンドリエストの社長、タルタルーガの吉松さんなどと自転車のおもしろ さ、そしてみんな経営者というより自転車好きという共通意識で盛り上がったのも大きな収穫だった。

 結果としてこの最高の経験は手に入れたものの、旅費からサイト制作まで大きな出費だったことは間違いない。当然、だいぶ売らないかぎりは元がとれず、家計への打撃は大きい。。。恋しかった日本のチーズとパンは食べられたものの、ビールにおいては激減したのは言うまでもない。カミさんからの厳しい目は交わ し切れないのが現実なのだ。
 これからが本番。なんとかこの感動ギアを買ってもらいたいと心から願う日がはじまった。

<<前へ

販売中のスピードドライブを見る