Speed Drive(スピードドライブ)

快適、爽快。あなたの愛車が生まれ変わる

シュルンプ社との出会いから販売に至るまで

スピードドライブ BD-1を仕入れている某自転車メーカーの担当の方から「面白いパーツが出てきたんであげますよ」と声をかけられた。これが運命の出会い。
 なにしろ興味深々、すぐに行ってみた。それは、何やら怪しいギアだった。はずかしながらメーカー名はおろか、どんな商品かも分からい。担当曰く「何年か前にどこかのサイクルショーの時に現地で見て面白そうなので1回だけ数個輸入した」そう。装着してみたがうまく作動せずお蔵入りだったそうである。「面白い」のではなく「面白そう」だった。
 「ただ」なので(これが大出費を産むとは)、取り付けマニュアルとギアを奪取し店で装着。が、しかし、読めないマニュアルを見て取り付けてみるもローギヤでチェーンリングがすべり空回りする現象に。何度組みなおしても同じ現象。マニュアルの読み違えか、お蔵入りの原因はこれか、、、数日寝てもさめてもこの「Mountain-drive」の事が気になっている日が続く。

 ここで、後先考えないタイプの私こと店長しぶや、「この会社に直接行った方が早いかな」と思い、英語のできる常連さんに、「わからないんで教えてもらいにイキマス」と軽い気持ちながらメールしてもらった。後日、断りのメールかと思いきや「是非お待ちしておりますので、おいでください。」と、、、。そんな簡単に。

 で、場所はなんと、、、スイス。え、だいたいスイスなんてどこ?ハイジ?ヨーデル?お金なんかないですよ、、、。断る言い訳を考える、、、、なかなか言い訳が出てこない、だって本当は、イッテみたい、何が違うのかシリタイ、、、気持ちが一杯なのだから。

旅の準備さーどーしよー。
  チケットはどうやって買う?英語もしゃべれないし?自転車持ってくの?
しまいには現地で何するの?状態。友達に電話をかけまくり、自分の非常事態にさまざまなアドバイスを受け無鉄砲さをさんざん「なじられ」ながら、なんとか格安チケットゲット。ホテル、通訳をシュルンプ社にセッティングしてもらう。

 しかし、前日に名刺がないのに気付き、サイクルしぶやどっとこむのデザイナーに急遽依頼。「今からかよ~。もっと早く言えよ!何考えてんだよ!」と罵声をあびつつ、そこは流石、数十分後に仕上がってきた。出発前にプリンターで印刷し、「もやもやの種」ブロンプトンとBD-1を用意。準備完了。

10月12日 朝、いざ出発!

 なにしろただでさえ忙しいのに、旅行の手配で精一杯。すべり込みセーフに持っていく。
  ずっと緊張していたのか14時間のフライト。機内ではひたすら寝る。オーストリア経由でチューリッヒに入り、到着。あいにくの雨。夜9時30分

 先方からは空港に出迎えると連絡を受けていたので、出迎えまでするほど大きな会社なんだとびびっていたことを思い出す。数分うろつく(間違いなく挙動不審)と、見覚えのある「シュルンプ社」のステッカーを持ったおじさんのニコニコ顔を発見。
  安心感から「シブヤデス、コンバンハ。。。」あ、、、日本語だよ。しかし横から「コンバンハ」と手を差し出す黒髪で色白のお姉さんが登場。「通訳のダニエラです。隣はフロリアンです」と。無事会うことができた。

 ホテル到着。一階は、なぜか村の若い人からお年寄りまでが集まるバー。歓迎されることもなく、東洋人だと物珍しげだ。まあ仕方ない。部屋は2階に二部屋しかないペンションみたいな宿。まずは、宿のおかみさんに挨拶。その後、お土産に日本の地酒を渡し、次の日の朝9時に迎えにくることを約束をして別れる。

 そういえば腹が減っていた。バーに行き、メニューを見た。え、当たり前だが読めない。しかもラストオーダー終了している。出てきたのはチーズの盛り合わせ、パン、ビール。
 パンもチーズも一口目はうまいんだが、俺にはプロセスチーズ、パンもやっぱりヤマザキじゃないと、ビールは麒麟じゃないと、、、。すでに日本が恋しくなりホームシック。部屋に戻り、ベッドから外を見る。外は真っ暗。なぜだかガランガランと音が聞こえてくる。催眠術にでもかかったように就寝。

10月13日

 日本では起きたことのない早朝。うすぐらい中、昨日は全く見えなかったスイスの山並、村、全貌が。。。素晴らしい風景だ。そしてあの音の正体が、、、牛がたくさんいるではないか。どでかい鈴をつけて。一晩中草食ってたのかと思いつつ。朝飯に。
 出てきたのは、なんと昨夜出てきたものと同じパン、チーズ、そしてオートミール、コーヒー。朝の挨拶はお互い通じないし、御馳走様も言えず、欲しいものも注文できない時間が過ぎる。
 せっかくなので村を散策。この風景は作りものじゃないか?と思う。ようやく自分が遠くに来てしまったと受け入れることができた。

 約束の時間に昨日の二人が。会社へいざ出発。

 宿から1分。会社についたんだが、そこは、工場でも事務所でもなく、大きな家だった。中に案内されてようやく安心。これこれ。そこにあったのは、日本 の下町にある旋盤屋みたいなところ。まず製品を説明された。取り付けに失敗を続けたマウンテンドライブ。調査不足の知識不足→なんと他にスピードドライ ブ、ハイスピードドライブというものがあるのをはじめて知った。

 そんなことも言えず通された部屋では、組み立て前のパーツが整然と並んで説明ができる準備が整っている。世間話しもなく、すぐに本題へ突入。
 日本での不具合のブロンプトンをすぐに見てくれた。あっという間にバージョンが古いと判明。ブロンプトンにはもともと合わないようだった。日本のディーラーに買ってもらったのは記憶にあったが、、こんなことになっているとは、、、と後悔していたようだった。

 気を取り直して完成した自転車を早速試乗。これか!!!こういうことか!!!
スイスのこの街、坂道、山道が多いことが、実にマウンテンドライブが合っていること、何故生まれたのかを痛感。ギアを変えるたびに思いがけない心地良さを感じる。
そしてなんといっても存在すら知らなかったBD-1に取り付けてもらったスピードドライブ。ただただ この未体験の爽快感を感じる。もう早く日本で走りたいという気持ち一直線となってしまう。

 社長にこの感動を伝えて、雑談が続き、ここで「日本の代理店にならないか」と唐突に言われる。「え、うちは小さなショップだから無理ですよ」とお断りを。だいたい買い付けにいったのではなく、不具合を知りたい一心で来たのですから。。。

 あっという間に時間がすぎ、10時のいっぶく。自宅に招かれコーヒー、出てきたのが、あのホテルで食べたチーズとパン。どうぞどうぞと言われるが、さすがに食べれずに謝って、コーヒーだけ。
 あたりを見回すと出窓のところにはきれないオブジェがあり、そこに昨日渡した日本酒も飾れていた。なんてお客を喜ばせる気遣い。気を使ってくれてるのか。。。感謝。

休憩終了。

 工房に戻ると、全部のパーツが机にきれい乗せられ、マウンテンドライブの組み立てをイチから教えてくれるとのこと。通訳のダニエラを介して、まるでプラ モデルを作るように、手間暇かけて、丁寧に教えてくれる。ダニエラがはずれると、今までと一転し、お互いに沈黙してしまう気まずさが出る一幕も、、、。そ してお昼に。奥さんが作った家庭料理をいただく。でもよくあるチーズフォンデュではなく、奥さんが気を利かしてくれ、スイスの素朴な田舎料理だった。ベーコンやチーズを食べながらのワインはとても美味しかった。

午後開始。
 午後は酒も入ってか和やかに。ようやく組み上が完了。

 全体的な組み立てはシンプルながらも要所要所でのベアリングの多さから慣れが必要と注意を受ける。今度はスピードドライブを作っている機械、パーツを見せてもらう。

 なにもかもきれいに整然と並び、几帳面さがうかがえる(これが基本だよ)と。するともう5時半。ここで作業は終了。宿へ戻る。風呂に入り、食べるものはやっぱりパンにチーズ。げんなり。

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